「ASUS TUF GAMING B550-PLUS」 レビュー:安価で高性能のマザーボード

2022年9月21日水曜日

PCパーツ 自作PC

t f B! P L

 ASUSのマザーボード、B550 TUF GAMINGを購入したのでPCを制作しながらレビューしていきますよ。


基本スペック

フォームファクターATX
チップセットB550
対応ソケットAM4
対応メモリDDR4×4
画面出力Displayport ×1
HDMI ×1
拡張スロットPCI Express 4.0×16スロット ×1
PCI Express 3.0×16スロット ×1
PCI Express 3.0×1スロット ×3
マルチGPU
ストレージM.2スロット ×2
SATA 6GB/s ポート ×6
有線Realtek RTL8125B
無線M.2スロット ×1
USBポートリア×8
フロント最大×6
オーディオRealtek ALC S1200A

先代B450の後継機というだけあって、最新規格のPCI Express 4.0に対応し、チップセットのレーンもPCI Express 3.0に変更されるなど成熟したモデルといえます。

Ryzenは次の7000シリーズからソケットがAM5に変更されるため、AM4としては最終版のマザーボードになりますね。

Ryzen7000シリーズの驚異的な性能はワクワクしますが、メモリが高価なDDR5のみ対応していることや、チップセットそのものが高額であることから、AM4という選択肢は現在でも十分ありだと思います。

早速開封して様子を見ていきましょう。

レビュー

セット内容


内容
・本体 
・SATAケーブル
・バックパネル
・ユーザーマニュアル
・証明書
・サポートDVD
・ネジ一式
・シール

パソコン工房のセールで15890¥で購入しました。安い!
マザーボードのパッケージとしては普通のセットですね。
いつも思うんですが、マザボに付属しているシールってどこに貼り付ければいいんでしょうかね…

SATAケーブルが二本ついているのはありがたいですね。追加購入しなくて済みますから。
また、マザーボードには珍しくTUF Certificationカードという証明書が付いています。
これは後述のコーナーでレビューします。

本体

全体図



映り込みなし、ヨシ!
工事現場のトラロープを連想させる黄色の色使いが目立つ本体デザインですね。
ロゴとデザインは好き嫌いが分かれそうな気がします。筆者は好きです。

やっぱりATXのサイズ感が落ち着きます。最近はMicro-ATXのボードが人気ですが、正方形の形とスロットの少なさがどうも好きになれませんね…

ピンヘッダは普通の数と配置で困ることはないでしょう。最近流行りのアドレサブルLEDにも対応しています。

VRMヒートシンク



大きめのヒートシンクが上部に2つ付いていて、熱を逃してくれそうです。

コンデンサの数の多さは安定性の証。黒光りしているコンデンサが綺麗に整列しています。

以前使っていたマザーボードのH370ASUS製でしたが、17000時間の稼働に耐え今でもトラブルなく動いています。今回も長く使えるといいですね。

PCIeスロット・M.2スロット



PCIe4.0に対応したスロットが付いています。最近のグラボ大型化に伴ってか、分厚いスロットに改良されていました。公式サイトを見ると強化金属で1.8倍たわみに強いと書いてありました。一応保険的なものだと思っているので、3連ファンのクソデカグラボを刺すときはつっかえ棒を付けたほうがいい気がします。

上にはM.2スロットが付いています。ヒートシンクはありませんでした。

たまにPCIeスロット直下にM.2スロットを設けているマザーボードがありますが、グラボの熱源の下にM.2 SSDが配置されることになるので精神衛生的によろしくありません。その点このマザーボードはクリアしているのでよいです。

チップセット



TUFゲーミングのロゴが書かれたチップセット。
最初見たときに大きめの切り傷が付いているとギョッとしましたが、フィルムが貼り付けられていたようです。左下から剥がすときれいな面が出てきました。

ヒートシンク付きM.2スロット



下部に目を移すともう一つのM.2スロットが。長めのヒートシンクがネジ止めされています。
どうせなら上のスロットにも付けて欲しかったですね。

CMOSのボタン電池はCR2032。3年おきくらいに電圧を測ってチェックしないとwindowsの右下にある時計がばかになりますね。気をつけましょう。

オーディオ



最後に左下を見てみます。上にはI/O周りのチップ、左下にはオーディオのコンデンサが見えます。黄金色のパーツは高品質な日本製コンデンサのようです。

一昔前はオンボードサウンドはノイズが乗ってひどい音が鳴り聞けたもんじゃなかったですが、最近のマザーボードは音質が改善されているので、音にこだわりがなければ十分だと思います。

そもそもどう"TUF"なのか

このモデルは"TUF GAMING"というモデルで、耐久性を売りにしています。
おそらく長時間のゲームや作業など負荷をかけても安定しているのがウリだと思うんですが
他のマザーボードに比べてどう丈夫なのかイマイチ不明です。

同封されている紙をチェックすると、こんなのがありました。

Certificate of reliability(信頼性証明書)と書いてあります。
マザーボードのコンポーネントが上記のテストに合格したという証明のようです。
3項目でパーツがテストされたみたいですね。どんなテストか見てみましょう。

TUF LANGuard (LANポート)
・耐湿性テスト
・振動テスト
・機械的衝撃テスト
・熱衝撃テスト
・耐溶剤テスト
・はんだ浴テスト
・はんだ付けテスト
・塩水噴霧テスト

Capacitors (コンデンサ)
・熱衝撃テスト
・耐湿性テスト
・塩水噴霧テスト
・はんだ付けテスト
・はんだ浴テスト
・振動テスト
・機械的衝撃テスト

Chokes (チョークコイル)
・振動テスト
・温度サイクルテスト

いずれもアメリカ軍のMILスペック規格でクリアしているようです。
MIL-Specと言えば丈夫なスマホケースとかで認められているあの規格です。
かなり丈夫なパーツと言えそうです。
ただ、これだけ過酷な環境で運用するとマザーボードが生き残っても他のパーツが全てお釈迦になりそうですね。(😢)

デバックLEDのありがたみ

というわけで実際にパーツを取り付けてみました。


何の変哲もない感じですが、パーツの相性もなく無事に取り付け終わりました。


電源を取り付けて最初の起動チェックをします。
ここでデバックLEDの存在に気が付きました。

B550 TUF GAMINGは比較的安価なマザーボードなので、X570などの上位版に搭載されているデジタル表示は無かったのですが、メモリの手前にあるLEDがデバック機能の役割を
してくれました。

LEDの横にCPU、DRAM、VGA、BOOTの刻印がされており、起動ができなかった場合原因となる部分が点灯する仕組みになっています。

安物のマザーボードだとビープ音の単音、長音で判別してマニュアルとにらめっこしながら原因を探さなくてはならないので初心者にもありがたい機能です。

すぐにオーバクロック設定ができるBIOS

無事に起動したのでBIOSに入ります。

自作PCを作る人なら見慣れた画面ですね。
ここ数年のBIOSは手動で電圧やクロック設定をしなくても自動的にオーバクロックをしてくれるので助かります。

今回の場合はOC Tunerを選択し、オンにするだけでオーバクロック設定になります。

筆者は普段の作業であまり負荷をかけないのでMAX3.7GHzに設定していますが、ボタンひとつで4.6GHzの稼働ができる余裕があるのはうれしいですね。

メモリも簡単にオーバクロック


メモリに関しても同様で、D.O.C.P(AMD版のXMP設定)を有効にするとすぐにメモリブーストができます。楽でいいです。

メモリはいつも最大クロックの設定で使うようにしていますが、速さを体感できたことがないです。2666と3200の違いを当てられることはできないと思います…

気持ちだけでも高性能という心構えで設定しています。

細かく設定できるファン回転


Q-FANコントロール設定でCPUファンの設定をしてみます。
3つの丸いアイコンを移動させてファンの回転数を制御します。

筆者はなるべく静かなPCにしたかったので、60度手前までは40%の出力で、60度を超えると徐々に回転数が上がっていく設定をしました。

ファンのノイズは構成次第で結構変わるので、ファンの音を聞いては再起動…ということを何度か繰り返し、おいしい領域を見つけました。

安定性はどうか

気になる安定性ですが、制作して二週間程度なのでまだなんとも言えません。
今のところパソコンが落ちたり、再起動を繰り返すような症状は出たことがないので大丈夫だとは思いますが、なにか発生したら追記します。

意外と音質が良い

筆者はSound Blaster Zを持っているのでオンボードサウンドは使用しないのですが、せっかくなのでマザーボードに接続して聞いてみました。

視聴環境
B550 TUF GAMING
ゼンハイザー HD599

大したことないと思って聞くと良い意味で期待を裏切られました。
キラキラした感じのクリアサウンドで、テンポのよい音楽と相性がいいと思います。
よほどリスニング環境にこだわらなければこれで必要十分だと思いました。

まとめ

本日はASUS B550 TUF GAMINGをレビューしました。
高い耐久性をうたい、初心者にも扱いやすいマザーボードだと思いました。
AM4のマザーボードに悩んでる人はこれを購入しておけばハズレないと思います。

メリット

安価
・高耐久パーツ使用
・トラブル時に助かるデバックLED
・最新規格のM.2 SSDに対応
・使いやすいBIOS設定
・そこそこ高音質な内蔵サウンド

デメリット

黄色のデザインは好き嫌いが分かれるかも
・中身が見えるケースにする場合、パーツの見た目に相性がある可能性
・M.2ヒートシンクが下に一つしかない

デメリットは見た目くらいかなと思います。完全ホワイトなPCを作るときや、デザインにこだわる場合は黄色工事現場色が雰囲気を壊しかねないかもしれません。普通に作る場合は全く問題ないと思います。

AM4の終焉

さてRyzen7000シリーズが発表され、いよいよAM4が終焉に近づきつつあります。

2016年から導入され現在まで現役ということを考えるとかなり息の長いモデルでしたね。Intelも見習ってソケットをコロコロ変えないでほしいところです。
とはいえAM4でも性能としては十分すぎるのでまだまだ長い間使えると思います。
もう数年してAM5DDR5の価格が落ち着いてきたら買い替えようかなと思いました。

7000シリーズが発売されると既存のマザーボードは終売すると思われますので、もしRyzen5000シリーズで作りたいと思っている人は早めに買うのがおすすめですね。(CPUは意外と残り、他は共通部品なので手に入りますが、マザーボードは枯渇しやすいので)
今はRyzenで作るのによい時期だと思います。

というわけでまた次回。


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